日本創世神話(現代風物語)
(神々の系図)
(国生み)
主人公はもちろん、イザナギノミコト(以下、イザナギ)とイザナミノミコト(以下、イザナミ)の兄弟のような仲の
良い夫婦の物語から始まります。
(注:一節には時を同じくして既に2人は存在していたので、兄弟であり夫婦だとの説もある。
まあー、アダムとイブみたいなものだろう……!!)
時ははるかな昔、イザナギとイザナミは天上界にあった天の浮橋に立ち、天の沼矛(ぬぼこ)を垂らしながら、
海水を引っ掻き回していた。
おもむろにそれを引き揚げてみようとしたところ、沼矛の先端の海水が滴り落ち、固まっていったそうな……。
なんとそこは島になった!! 「オノゴロ島」の誕生である。
夫婦はオノゴロ島に天の御柱を建てることにし、この島に降り立った。そして八尋殿というそれはそれは立派
な御殿もお建てあそばした。
そして2人はこの島でさらに海水を掻き混ぜては海水を垂らし、いくつもの固まりができはじめた。
最初の固まりは「淡路島」になった……そうな。
2番目は四国、3番目は「隠岐の島」、次に「九州」「壱岐の島」「対馬」「佐渡島」、最後に「本州」が生まれた。
この八つの島で構成された日本列島を「大八島国」(おおやしまくに)と呼ばれることになった。
仲の良い2人はこれで満足せず、小豆島など6つの島をお造りになった。
(この時代は北海道、沖縄は存在いしていないのか!! なるほど……)
さらに家屋の神、海や川の神、風や木の神、山や野の神などたくさんの神が2人の間に誕生していった。
そして悲劇はおこった。
(黄泉の国への旅立ち)
2人は次々とお子さん(神)をお生みになったが、妻のイザナミは「火の神」を生むとき、こともあろうに、自らも
大火傷を負ってしまった。
イザナギの必死の看病もむなしく、夫に看取られながらついに「黄泉の国」へ旅立れてしまった。
それ以来、イザナギは嘆き悲しみ、悲嘆にくれていたが、そしてついに妻を取り戻すべく、立ち上がった。
「黄泉の国」に着いたイザナギは、いくら探しても妻が見当たらない。
と、そこに大きな扉があった。
呼びかけてみると、妻のイザナミからの返事があった。
「わざわざこんなところまで……!」(喜びの涙を流したかどうかは知らない……。)
「せっかく迎えに来ていただいたのですから「黄泉の国」の神と相談しますので、しばらく待っていてください。
待つ間、絶対に私の姿を見ないでくださいネ」との返事であった。
見るなと言われると、見たくなるのが人情、(神様も同じ……!)
しばらく待っていても返事がないので、とうとう大きな扉を開けてしまった……!!
そこで見たものは……!!。 おぞましい姿になり果てた妻がいた……!!
ま、ま、まさか……!!。 う、う、嘘だろう……!!。(と言ったかどうか知らない……!)
焼けただれ、腐敗し、ウジがたかっている妻の姿だった!!。
イザナギは必死に逃げた……!! 逃げに逃げた……!!
姿を見られたイザナミは怒り心頭に達した!!。 あれほど「見るな」と約束したのに!!
ましてこの姿になってしまったとはいえ、私を見て逃げるとは……!!。 許せない!!
イザナミは悪鬼と共にイザナギを追いかけたが、イザナギは大きな岩で「黄泉の国」へ通じる扉を塞ぎ、イザナミ
が来れないようにした。
岩の向こうからイザナミの声がした。
「これからあなたがつくる人間を1日1,000人づつ殺しますからネ……!! 覚えてらっしゃい!!
イザナギは言い返した。
「それなら1日1,500人づつ つくってやる……!!」と。
というわけで、差し引き1日500人づつ日本人が増えていくことになった。ヨカッタ、ヨカッタ!
(禊:みそぎ)
地上に戻ったイザナギは、「黄泉の国」でのけがれを祓うべく、みそぎをした。
現在の宮崎市にある「江田神社」 みそぎ池(霊池といわれる)
着衣や杖を投げ捨てて中流の瀬に入り、体をすすぐと住吉3神など多数の神がお生まれになった。
最後に左目を洗ったら「天照大御神」(アマテラスオオミノカミ)が生まれ、また、右目を洗ったら月読命(ツクヨミノ
ミコト)が、鼻からは須佐之男命(スサノオノミコト)の3貴人もお生まれになったそうな。
女神で太陽の神である「天照大御神」は天上界を、月の神である月読命は夜の国を、須佐之男命は海を治める
こととなった。
ところが、須佐之男命は体は大きいのに泣き虫で、海の神の仕事をさぼり、いつも泣いていたそうな。
そこで父のイザナギが「なぜいつも泣いているのかい?」と聞いたところ、「母のイザナミに会いたい!!、黄泉の国へ
行きたい!!」と、とんでもないことを言い出した。
(須佐之男命は父の鼻から生まれたのに、なぜ母がイザナミなのか……! そこは置いといて…!)
これに慌てたイザナギは「そんなに黄泉の国へ行きたいのなら、追放じゃ……!」といわれ、追放されてしまいまし
た。
(2人の誓約;うけい)
須佐之男命は「黄泉の国」へ行く前に、姉の天照大御神に一目会いたいと思い、天上の国「高天原」に向かいま
した。
須佐之男命は泣き虫ですが、体が大きく歩くと山が揺れ、川が溢れることを知っていた天照大御神は、弟が自分
の所へ来るのを知り、ひょっとしたら、弟が自分の国を奪いに来るのではないかと思い、警戒したそうな。
だが、弟は姉に「そんなに警戒しなくてもいいよ、姉さん。何もしないから〜」とか言って、2人で「誓約」(うけい)を
することになりました。
天照大御神は須佐之男命が持っていた剣を折って噛み砕き、息を吹きかけると3人の女神が生まれました。
今度は須佐之男命が天照大御神が持っていた勾玉(まがたま)を噛み砕き、息を吹きかけると5人の男神が生ま
れたそうな。
5人の男神は天照大御神の子となり、3人の女神は須佐之男命の子となった。
この時に天照大御神の子となった男神の中の天忍穂耳命(アメノオシホミミノミコト)の子が後の瓊々杵命(ニニギ
ノミコト)で、日向の高千穂に降臨することになる。
さらに、瓊々杵命のひ孫が後の神武天皇となる。
(天岩戸へ御隠れ)
誓約の後、しばらくは高天原にお世話になることになった須佐之男命であったが、いたずらをはじめるようになった
そうな。
田の畔を壊したり、田に水を入れるための溝を壊したり、それはそれは悪戯を繰り返している毎日だったが、それ
でも姉の天照大御神は「お酒のせいでしょう」と言って、何のとがめもしなかった。
弟はますます調子に乗り、例の如くいたずらをしようと思い、神々が着るための衣を織る「機織の御殿」の屋根に登
り、穴を開けて、そこから皮を剥いだ牛を落としたそうな……!。
下にいた女たちはパニックに陥り、その1人が驚いて逃げる途中、機械の道具の先に刺さって死亡する大事件が
勃発した。
さすがの天照大御神も神聖な場所が血で汚されたことに恐れおののき、天岩戸へ御隠れになった。
( 現在の宮崎県高千穂町 天岩戸神社 天岩戸洞窟)
すると、世界は暗闇に包まれ、天上の世界、高天原や地上の世界も暗黒に包まれてしまったそうな。
悪い神々が次々と世界を闊歩するようになった。
(須佐之男命の追放)
光が世界から消え、八百の神々は大いに困った、困った……!。
どうすれば天照大御神は洞窟から出てきてくれるのだろうか…。
八百の神々は天安河原(あまのやすかわら)に一同に会し、連日協議をしたそうな。
また、須佐之男命をどうのように処罰すればいいのか。悩ましい問題を抱えていた。
「そうだ、お祭りを始めようぜ、……!。 賑やかに踊れば、その音で顔を出すかもしれないぜ。」
「アメノウズメは踊りがうまい、彼女に躍らせようぜ……!。」
「須佐之男命の処罰は荷物はすべて没収してしまえ……!。「ひげや手足の爪も切ってしまえ」
「高天原からも追放してしまえ……!。」と協議は成立し、いよいよ実行に移された。
賑やかな音が洞窟に響きわたる。
天照大御神は気になりはじめ、ほんの少し、岩戸を開けてしまった。
待ち構えていた怪力の持主また天照大御神が御隠れになった天岩戸洞窟を探り当てた功労者でもある、手力雄
命(タジカラオノミコト)が、このチャンスを見逃さず、今ぞとばかり岩戸を持ち上げ、投げ捨てた。
とうとう天照大御神は引っ張り出され、再び世界は光に満ち溢れたのであった……!。
ところで追放された須佐之男命はその後どうなったのか……?。
須佐之男命は地上に降りると、出雲の国に向かった。
御存じ、あの八つ頭のヤマタノオロチの大蛇を退治し、クシナダヒメと結婚し、豪華な宮殿を建てたうえ、出雲の国
を治める神になってしまうそうな。
須佐之男命はこれ以降「出雲神話」に場を移すこととなった。
(高天原から天照大御神の子供たちが多数「出雲」平定のために派遣されたが、それは省略)
(天孫降臨)
天照大御神は自分の子である「天忍穂耳命」(アメノオシホミミ)を当初降臨させようと考えていたが、ちょうどその
時その神の子供が生まれたので、その子を降臨させることにしたそうな。
「瓊々杵命」(ニニギノミコト)である。
つまり、天照大御神の孫にあたる。
瓊々杵命に道祖神である「猿田彦命」(サルタヒコ)が同行することになり、またたくまに同行者は増えていった。
ついに一行は、日向の国高千穂の峰に至った。
(一行は平定された出雲の国へ降臨の予定であったが、なぜ高千穂へ降臨したのか、不明)
(瓊々杵命の結婚)
降臨した瓊々杵命は、美しい娘、「木花佐久夜姫」(このはなのさくやひめ)と出会い、早速プロポーズした。
ところがその父である「大山祗神」(オオヤマツミノカミ)がもう一人の娘「イハナガヒメ」も一緒に嫁女にしてほしい
と、嬉しいような困ったような申し出があった。
瓊々杵命は考えに考えた。
そしてついに結論を出した。「イハナガヒメは美しくない。だから妹の木花佐久夜姫だけを妻にする」
ところがこれが取り返しのつかないとんでもない判断の誤りだった。
父の大山祗神が言うには、
「イハナガヒメも一緒に妻にすればあなたの子孫の寿命は、未来永劫安泰だった。妹だけ妻にすれば花のように
美しく咲くだけで、寿命は儚いものになります」…と!。
ここで人間は寿命というものを持つようになったのであります。ハイ!。
さて、逢初川で出会った2人は急速に魅かれ新婚生活を八尋殿で幸せに送っていましたが、妻が妊娠したところ、
こともあろうに瓊々杵命は自分の子かどうか疑った。
「本当に俺の子か……?」
「あなたの子に間違いはないでしょう……!、何を言ってるの、あなたは……!」
「それじゃー、俺の子だという証拠を見せろ……!」
といったかどうか知らないが
「そんなに疑うなら火の中で産んでやるわよ……! 無事産まれればあなたの子供に間違いないわ……!」
と言いながら、産屋に火を放ちその中で無事3人の男神を産み、潔白を証明したそうな。
それが「火照命(ほでりのみこと)、火須勢理命(はすせりのみこと)、火遠理命(ほおりのみこと)である。
(山幸彦と海幸)
御存知、昔話の絵本に出ている山幸彦と海幸彦です。
兄の火照命は海幸彦と呼ばれ、末の弟火遠理命は山幸彦と呼ばれています。
山幸彦は山に行って、獲物を捕り、海幸彦は海で魚を捕っていましたが、ある日何を思ったか弟が兄に仕事を交換
しようと言い出したそうな。
嫌がる兄を説得し、山幸彦は兄の釣り針を借りて海へ出たが、大事な釣り針をなくし、兄が激怒した。
釣り針を探しに海へ出た山幸彦は、海の神「ワタツミ」の娘「豊玉姫(とよたまひめ)」と出会い、早々と結婚した。
そして彼女の協力を得て、兄の釣り針を見つけ出し、さらに呪文まで教わったそうな。
以来、兄の海幸彦がいくら田を耕しても実らず、逆に山幸彦の田は豊作になった。
その子孫が九州の隼人になった。
(神武天皇の誕生)
山幸彦の妻、豊玉姫は妊娠し、海屋を作り、子を出産することにした。
出産する前に豊玉姫は「決して出産するところを見てはいけませんよ」と念を押したのに山幸彦は我慢できず覗い
てしまった。
な、な、なんとそこには「サメ」が出産しているではないか……!
これに恥じた豊玉姫は子供(鵜葺草葺不合命:うかやふきあへずのみこと)をのこし、海にかえってしまったのであ
るそうな。
ところが我子が気になる豊玉姫は妹の玉依姫(たまよりひめ)を乳母として遣わし、世話をしてもらうことにした。
やがて大人になった鵜葺草葺不合命は何とこの乳母と結婚してしまった。(母の妹なので叔母にあたる)
そして4人の子供が生まれその一人が「かむやまといわれひこのみこと」後の神武天皇である。
こうして神武天皇は産まれたが、この時はまだ天皇ではなく、その後「かむやまといわれひこのみこと」は宮崎県
高千穂から日向へ出て、そこから船で大分県の宇佐、福岡県の岡田宮に寄り、瀬戸内海を東へ向かい、大阪から
南下して紀伊半島に出た。さらにそこを迂回し熊野に出ることになる。
この熊野で天から遣わされた八咫鳥(やたがらす)の導きで陸地を北上し、奈良の橿原の宮に入り、天皇に即位
するのである。
ちなみに、これが縁で「宮崎市と奈良県橿原市」は姉妹都市になっています。
その後の神武天皇の子供の活躍が続きますが、疲れましたのでこれにて終了します。
最後までお読みいただきありがとうございました。 感謝!
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